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変わる避難所

  • 執筆者の写真: ITO OP
    ITO OP
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:3 日前

日本では、災害時の避難所として学校の体育館や公民館などの公共施設を利用することが一般的です。これは、災害救助法などの法令に基づき、既存の公共施設を避難所として転用する制度が確立されているためです。

この制度は、全国どこでも迅速に避難所を開設できるという利点がありますが、同時に、施設の設備や運営体制が避難生活に適していないという課題も抱えています。


東京都では、「体育館中心」の避難所から脱却し、より衛生的・尊厳のある避難環境をつくり出すために、行政・自治体レベルでさまざまな先進的な対策が進められています。


東京の避難所、どう変わろうとしているのか

災害時、多くの人が体育館で雑魚寝しながら過ごす―― そんな昔ながらの避難生活に対し、東京都では「もっと快適に、もっと安心して過ごせる避難所へ」を掲げて、新たな動きを進めています。


居住空間の見直し

スフィア基準に準じて、1人あたり最低3.5㎡の居住スペースを確保し、簡易ベッドや仕切り・テントを速やかに配る計画です。2025年度からは、市区町村でこれらをそろえるための補助事業もスタート予定で、雑魚寝からの卒業が近づいています。

参考:東京防災


トイレや衛生面も進化中

発災直後から清潔なトイレが使えるよう、水洗が使えない場合の災害用トイレの備蓄や、男女比(1:3)や数(発災時は50人に1基、1週間後は20人に1基)もスフィア基準に基づいて設定。車いす対応トイレや利用者の利便を考えた設計も進められています。


入浴・食事のサポート

被災時に温かい食事やシャワーを提供できる体制を整備中。キッチンカーや給食センターとの協定、市内ホテル・温浴施設の活用調整、災害用シャワーの備蓄など、多角的な方法で支援を確保します。


要配慮者や女性への細やかな配慮

高齢者、障害者、妊産婦、赤ちゃん連れの家族といった要配慮者が安心して避難できるよう、母子スペース・授乳室・更衣室・キッズコーナーを学校や避難所に標準設置。性的マイノリティや補助犬連れにも対応。世田谷区の避難所マニュアルでは、こうした配慮が具体的に計画されています。


住民主体の避難所運営

運営には地域住民や自主防災組織が主体的に関わる仕組みを整備中。女性や要配慮者も運営メンバーに含めることで、誰もが意見を出しやすく、現場の課題にきめ細かく対応できる体制を目指します。平時からの訓練やセミナーも導入され、実際に役立つ体制へと進化しています。



“しんどくない避難所”へ

東京都では、一人ひとりのプライバシーや健康を考えた避難空間づくりを進めています。硬く聞こえる「指針」や「基準」も、支援を必要とする人が安心して過ごせる環境をつくるための具体策ばかり。体育館に集まる避難所のイメージが、少しずつ「生活できるみんなの場所」へと変わろうとしています。


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