快適な作業環境づくりに欠かせないオフィス照明の考え方
- ITO OP

- 7 時間前
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知的生産性が重視される現代のオフィスでは、単に「明るい」だけでなく、集中しやすく、快適に過ごせる空間づくりが求められています。
さらに近年は、省エネルギーや環境配慮の観点から、照明にも効率性が求められるようになりました。つまり、これからのオフィス照明には、「快適性」と「省エネルギー性の両立」が不可欠です。
本記事では、オフィス照明の基本的な考え方から、LED照明の選び方、まぶしさ対策までを実践的に解説します。

オフィス照明の基本は「明るさの最適化」
これまでのオフィスでは、「机上照度750ルクス」がひとつの基準とされ、空間全体を均一に明るく照らす照明設計が主流でした。
しかし現在では、働き方の多様化により、必ずしも一律の明るさが最適とは限らないと考えられています。 実際、日本の照明基準では、
一般的な作業:500ルクス前後
精密作業:750ルクス以上
会議室:300〜500ルクス
といったように、用途によって適切な明るさは異なります。 また、パソコン作業中心の業務では、明るすぎる環境はかえって目の疲労を招くこともあり、300〜500ルクス程度が適している場合もあります。
「一律の明るさ」から「使い分ける照明」へ
近年注目されているのが、「タスク・アンビエント照明」という考え方です。 これは、
作業する手元(タスク)は明るく
周囲(アンビエント)はやや抑える
という方法で、必要な場所にだけ適切な明るさを確保する設計です。 この手法には以下のメリットがあります。
目の疲れを軽減
集中力の向上
消費電力の削減
従来の「全体を明るくする」照明から、「必要な場所を最適に照らす」照明へと変化しています。

LED照明導入で失敗しないためのポイント
省エネ対策として、LED照明の導入は今や一般的になっています。しかし、選び方を誤ると期待した効果が得られないケースもあります。
■明るさは「ルーメン(lm)」で判断する
LEDの明るさは「ルーメン(lm)」で表され、数値が大きいほど明るくなります。 従来の「ワット数」ではなく、実際の明るさで比較することが重要です。
■用途に合わせた配光を選ぶ
LEDは光が一方向に強く出る特性があります。 そのため、
広く照らしたい → 拡散型
スポット的に照らす → 集光型
といったように、用途に応じた配光設計が必要です。
■演色性(Ra)で見え方が変わる
演色性とは「色の再現度」を示す指標で、Ra100に近いほど自然な見え方になります。 オフィスでは、Ra80以上が一般的な基準とされており、特に来客スペースやデザイン業務では高演色の照明が重要です。
■省エネ性能は「lm/W」で判断
lm/W(ルーメンパーワット)は、消費電力あたりの明るさを示す指標です。 同じ明るさでも、
100 lm/W
150 lm/W
では、消費電力に大きな差が出ます。 効率の高い照明を選ぶことで、電気代削減と環境配慮の両立が可能になります。
■施工業者の選定も重要
照明は設置方法によって性能が大きく変わるため、信頼できる施工業者の選定も重要です。 設計・施工・メンテナンスまで一貫して対応できる業者を選ぶことで、トラブルを防ぐことができます。

まぶしさ(グレア)対策で疲労を防ぐ
オフィス照明における大きな課題のひとつが「グレア(まぶしさ)」です。 グレアが発生すると、
モニターが見づらくなる
目の疲れが増す
集中力が低下する
といった問題が起こります。
■グレア対策の具体例
モニターに光が映り込まない配置にする
照明にルーバーを取り付ける
ノングレアモニターやフィルムを使用する
デスクの角度や位置を調整する
■LED特有のまぶしさ対策
LEDは直進性が強いため、まぶしさを感じやすい特徴があります。 対策としては、
拡散カバーの使用
間接照明の併用
反射の少ない素材(マットな机)を選ぶ
などが有効です。
外光とのバランスも重要
自然光(外光)は、快適なオフィス環境において重要な要素です。 ただし、直射日光が強すぎる場合は、
画面が見づらい
温度上昇
まぶしさ
といった問題が発生します。 そのため、ブラインドやカーテンを活用し、外光と人工照明のバランスを取ることが重要です。
まとめ
オフィス照明は単なる設備ではなく、働きやすさ・生産性・健康に直結する重要な要素です。
照度は用途に応じて最適化する
一律照明ではなく使い分ける設計へ
LEDは性能指標(lm・Ra・lm/W)で選ぶ
グレア対策で疲労を軽減
自然光とのバランスを意識する
これからのオフィスでは、「明るい照明」ではなく**「最適に設計された照明」**が求められます。
照明環境を見直すことは、従業員のパフォーマンス向上と企業価値の向上につながる重要な投資といえるでしょう。




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